SOLD OUT
アメリカ人写真家ウィリアム・エグルストンは、アメリカの日常風景を切り取ったスナップショットに、鮮烈で映画的な眼差しを向けてきた。
『For Now』は、2005年のドキュメンタリー映画『William Eggleston in the Real World』を監督した映画作家マイケル・アルメレイダによって編まれた、エグルストンの未発表写真集である。アルメレイダは、約40年にわたる制作から成る3万5千点以上のアーカイブを精査し、自身が「B面、ブートレグ、未発表トラック」と呼ぶ写真群を掘り起こした。本書の大型判第4版には、新たに8点の未発表写真が追加収録されている。
収録エッセイの執筆者には、アルメレイダ自身のほか、『Lipstick Traces: A Secret History of the 20th Century(口紅の痕跡――20世紀秘史)』の著者であるグリール・マーカス、作家であり映画批評家のエイミー・トービン、1977年から1998年までロサンゼルス・タイムズ紙で活躍し、LAパンク・ロック・シーンをいち早く主流メディアで記録したクリスティーン・マッケナ、そして監督・脚本家のロイド・フォンヴィエルが名を連ねている。エグルストンの家族や友人に焦点を当てている点でも異色の一冊であり、何気ない親密さの気配が漂うその佇まいは、いかにもエグルストンらしく、そして常に新鮮な驚きをもたらす。
ウィリアム・エグルストン(1939年生まれ)は、ヴァンダービルト大学およびミシシッピ大学在学中に写真と抽象表現主義に出会った。ロバート・フランクやアンリ・カルティエ=ブレッソンの作品に影響を受け、1960年代からカラーフィルムでの制作を開始。芸術写真におけるカラー表現を普及させた先駆者の一人として知られている。彼の作品は、シカゴ美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ホイットニー美術館などに収蔵されている。
マイケル・アルメレイダ(1959年生まれ)は、ハーバード大学で美術史を学んだ後に中退し、映画制作の道へ進んだ。イーサン・ホークとジュリア・スタイルズ主演による2000年の映画『ハムレット』で広く知られる。2005年のドキュメンタリー映画『William Eggleston in the Real World』は、ゴッサム賞にノミネートされた。