なぜ美術史には女がいないのか?
美術史はこれまで、モノの見方や表現の様式の変化を中心に語られてきました。しかし本書が問いかけるのは、そもそも誰が見て、誰が描き、誰が描かれてきたのかという視点です。
なぜ歴史に名を残す女性アーティストは少ないのか。女性はどのように描かれ、誰がその絵を見てきたのか。
女性には画家としての教育の機会が限られ、自由に行動できる場所も制限されていました。そのため、女性画家の作品は家庭など身近な場所を題材とすることが多くなります。
一方、近代絵画に描かれた都市の女性には、娼婦や踊り子、愛人など、男性の欲望や近代都市の視線と結びついた人物が少なくありません。ドガやマネの作品を、ブルジョワ階級の家族が展覧会で鑑賞するという状況そのものも、ポロックは読み解いていきます。
絵画や映画において、女性は長らく「見る主体」ではなく、「見られる存在」として位置づけられてきました。女性は男性中心の文化の中で「差異」として表象されてきたのです。
ボーヴォワール『第二の性』や、フロイト、ラカンの精神分析を手がかりに、美術史をフェミニズムの視点から読み直す、現代美術史の古典です。
[condition] New
[Artist] グリゼルダ・ポロック
[Publisher] ちくま書房
[size] 文庫版 512p
[Published] 2025年
[Language] Japanese / English